[日記] 『プレーンソング』を読みはじめた


プレーンソング (中公文庫)

プレーンソング (中公文庫)


保坂和志の『プレーンソング』を読みはじめた。おもしろい。


主人公にのりうつって、彼の考えや感じ方をリアルタイムでなぞっていくような感覚がたのしめる。
感じ方を流れとして書かれてあるので、一文一文は長くなるが、それがまた
よい感じ。乗り物みたいな文章だ。読んでいると、
ゆっくり進む乗り物に乗って、主人公の中をのんびり旅してるような気分になる。
読んでいる間、私は安心して文章に身を任せていればよい。


これがホントに流れをそのまま記述しただけのものなら、
読んでるのがつらくなるかもしれないけど、
そこは適切に刈り込まれてモデル化されている。だから
文章は読みやすく、かつ乗りやすい。


行き先がわからないままゆるゆると流れにのっていくことの
たのしさをはじめて感じたような気がする。


「意識の流れ」というキーワードですぐに思いつくのはジョイスプルースト
プルーストは読み始めてすぐ挫折した。
ジョイスも、たしか『ダブリナーズ』を読み始めたがいつのまにか続きを読むのを忘れてしまったはず。
でも今回『プレーンソング』読み始めて、プルースト好きは、
行き先がわからないまま流れを追っていく
プロセスが好きなのかもしれないと思った。


だからといってプルーストに再チャレンジしようって気は起きないのですが。