2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

 'I'の訳し方

会話文のなかの'I'をそのまま「私」「僕」「俺」…と訳すと違和感を生じさせることがある。たとえば、お母さんから子供へのせりふでは、英語では'I'でも訳すときには「お母さんはね」とするとかもしくはそっくり省くとかしたほうが、日本語として座りがいい。

 ありますか、ありませんか、これは質問です。

2chの文学板をみて遊んでいると、あるスレッドでHamlet名文句がおもしろく訳されていた。 「生きるか、死ぬか、それが問題だ」 ― "To be or not to be, this is the problem" ― 「ありますか、ありませんか、これは質問です」 瞬時に、あの重々しい場面で「…

親切?いじわる?手紙がもっていかれてしまった - "Collectors"(Raymond Carver)

『翻訳夜話 (文春新書)』所収の短篇。私は柴田訳の方が淡々としていて好きです。 短篇として流れがいいよなぁと、ほれぼれ。 無駄な要素が一つもない。タイトルどおり、「集める」というのがキー。 失業中の男、採用通知が届くのをひたすら待っている そこへ…

 高野山詣で

高野山に行ってきて「赤松院」という宿坊に泊まった。 観光地だから当然、観光客でにぎわいをみせていたが、それでも、さすが「霊場」というだけあって凛とした空気がすがすがしかった。 「生かせ、いのち」という言葉が空海(弘法大師)の教えの精髄だという…

結局、解はない ― 『翻訳夜話』(村上春樹・柴田元幸)

翻訳夜話 (文春新書)作者: 村上春樹,柴田元幸出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/10/20メディア: 新書購入: 13人 クリック: 95回この商品を含むブログ (171件) を見る 村上春樹・柴田元幸が翻訳についての思い入れを語った本。 読み応えあり。 なかでも…

Pulling the truth out of the Darkness (on "A Temporary Matter" by Jhumpa Lahiri)

Interpreter of Maladies作者: Jhumpa Lahiri出版社/メーカー: Mariner Books発売日: 1999/06/01メディア: ペーパーバック クリック: 9回この商品を含むブログ (9件) を見る Recently I have been reading immigrant-culture-based literature as those book…

 松山の「坊ちゃん」産業

今日の『生活ほっとモーニング』 http://www.nhk.or.jp/hot/ がおもしろすぎた。 タイトルは、 「にっぽん体感こだわり旅 〜江川達也さんと行く 松山・文学散歩」 で、内容は、漱石の『坊っちゃん (岩波文庫)』にでてきた場所を中心に文学散歩をしようという…

 日本語シソーラスを買った

日本語のシソーラスを買いました。1万5千円はイタイ (>_ これが一人の仕事だというから驚き。偉業です。脱帽です。 著者の山口翼(たすく)さんに感謝です。 日本語大シソーラス―類語検索大辞典―作者: 山口翼出版社/メーカー: 大修館書店発売日: 2003/09/06…

 さおだけ屋はつぶれてるんだってば!!ってお父さんが...

父(経済人)に教えてあげた。 「ねー、最近、若い会計士が書いた『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学(ISBN:4334032915)』って本、すごい売れてるんだって」 で、父の答え「はぁ?つぶれてるよ、どんどん」 2005/11/05 追記 htt…