『カイマナヒラの家―Hawaiian Sketches』読了

『カイマナヒラの家―Hawaiian Sketches』(池澤夏樹, 芝田満之) 読了

カイマナヒラの家

カイマナヒラの家


舞台はハワイ。『カイマナヒラの家』という古い屋敷をアパートにして住む人々の群像劇。濃密な人間関係があるわけではなく、彼らの日々が淡々と書かれているだけ。同じ作者の『真夏の朝の成層圏』をもっともっと薄めた感じ。


読み応えがないな。その点が現代小説風。軽い読み物を求めている人にはいいだろう。


たとえばのはなし、ドストエフスキーを読んだあとはしばらく感覚が麻痺して現実世界に戻ってこれない。
そんな力作って最近目にしないなぁ。読書が有閑階級の教養人のたのしみだった昔とは違い、今ではそんな大作へのニーズもないのか。