もう風も吹かない(平田オリザ)を観てきた

平田オリザ作・演出の『もう風も吹かない』を観てきた。
結構おもしろかった。桜美林大学青年団とのこと。


海外協力隊員として自分がやろうとしていることが果たしてその国のためになるのかならないのか確信が持てずに苦悩する青年。その苦悩に共感を覚えた。そして、その苦悩への今の私なりの見解はこうだ。


自分が最後までやれる・やれないに関わらず、それが1ミリでも前進だと思えるのなら着手してよいのではないか。


無責任に聞こえる?でも、「私はここまでやったから、あとはよろしく」って考え方でもいいんじゃないか?何もかも自分でやろうとするのではなく。


たとえば、捨て犬。自分の家では飼えないことが分かっていても、連れて帰って仮の宿を提供し、その間にちゃんと里親になってくれる人を探して、交渉が成立すれば、あとはその里親さんにおまかせ、っていう流れがあったっていいんじゃないかと思う。飼えないなら拾うな、っていわれそうではあるけど。


ひとりひとりができることをできる範囲でやる、って選択肢があったっていいよね。


あと、平田オリザが『演劇入門』でも書いてたように、劇はゆるやかに始まっていた。開演10分前に会場にいったところ、舞台にはもう役者がいて、いかにもらしい雑談(もちろん演出上の)がはじまっていた。

演劇入門 (講談社現代新書)

演劇入門 (講談社現代新書)


観て以来、劇のなかでみんなが歌ってた「いやじゃあ〜りませんか、協力隊」って歌が耳についてはなれず、気がつくと風呂の中で歌ってたりする。歌がある劇を観るとたいていこうなって、もう2年くらい前にみたこまつ座の『兄おとうと』の「三度のごはん、ちゃんとちゃんと食べて元気に生きよう、きっとね」ってフレーズもいまだ頭から離れない…